生前贈与と遺留分の関係

  民法では、贈与してから1年以内に死亡した場合、その生前贈与は「遺留分」の 対象になるとされています。(民法1030条)

  「遺留分」とは、

  『法律で定められた相続の取り分が極端に減らされないように、 遺言や贈与によって減ってしまった分をある程度は取り戻せる』

という権利のことをいいます。

  また、法律で定められた取り分を意図的に減らしてやろうという趣旨で行われた 生前贈与については、1年以内という制限がなくなります。

  どこまででもさかのぼって財産を取り戻すことが認められます。

  この遺留分が認められれば、贈与で他人の手に渡ってしまった財産を取り戻すことができます。

  例えば、ある人には、奥さんと2人の子供がいるとします。

  子供は親の財産の25%を相続できます。もし、片方の子供が、もっと財産が欲しいと思って、親から生前贈与を受けたとします。

  この場合、生前贈与分+相続分で親の財産の40%を得たとします。本来の相続分より、15%多いという事です。

  もう一人の子供の相続分は、本来の25%より少なくなります。これが、「法律で定められた取り分を意図的に減らしてやろう」です。


遺留分は裁判で争われる事が多い

  遺留分は、話し合いで決着がつかない場合は裁判で争われます。しばしば相続問題としてドロ沼の裁判が繰り広げられています。

  話し合いで決着がつくケースの方が少ないのが現状です。

  「法律で定められた取り分を意図的に減らしてやろう」があったかどうかその意図で生前贈与が行われたのか、裁判で大いにもめるところです。

  「法律で定められた取り分を意図的に減らしてやろう」が認められると、何年も前に行われた生前贈与もすべて取り戻しの対象となります。

  お金の問題です。どちらも絶対に引く事はありません。こうして、多くの場合、激しい争いになります。


本当の事は分からない

  遺留分の裁判は誰かが死亡してから行われます。しかし、真実は死亡した本人しか知らないことが多いため、本当のところはわからないのです。

  生前贈与をする時は、将来の争いにならないよう、家族に自分の意志を伝えておく事は大切です。

  そのため何も言わずに、生前贈与するのは、避けた方がいいと思います。

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